中学受験をするなら心に決めておいてほしいことがある~志望校と受験する理由を明確にしよう

なぜ受験するのか、なぜその学校に行きたいのか。目的と目標がはっきりしていれば、どんな事態にもあわてず、流されず、最善の方法を選ぶことができます。

小学校3年生の秋頃になるとそわそわしてピリついてくるのが中学受験をどうするか問題。

大手の塾に受かったとか通わせているとか、会えば必ず受験どうするの?ってきかれるようになって。

受験する気のまったくなかったご家庭まで本当に受験しなくていいのか悩むようになってしまうことも。

中学受験は信念をしっかり持ってやらないと狂気の沙汰に巻き込まれて崩壊します。

長丁場を笑顔で乗り切るためには、

受験する理由、行きたい学校、せめてどのあたりを狙うのか。目的と目標を定めてから対策を始めるのが重要です。

あるママの話・・・

新4年生から大手の塾に通い始めました。

塾で勧められたからとうれしそうに歴史マンガを読んでいるようなまじめな良い子です。

入ってみたら知っている子が何人かいて、みんな上のクラスだった。

一緒に入ったお友だちは負けず嫌いで、今後の友人関係に影響しないといいなと思っている。

テキストは全部こなさないと確認テストの点数が取れないし、
そうなるとクラス分けに影響するからどっちにしても全部やらないといけない。

スピードが遅いからこなしきれず、生活が勉強一色になってしまった。

習い事もいったん全部お休みにしようと思っている。

子どもは塾にいわれたとおりに難関校を志望しているが、ママは普通のところでいいと思っている。

すごくよく聞く、あるある話ですよね。

でも、まさかと思いました。現実にこんなことあるんだと。

中学受験は進路の選択肢のひとつ

第3次中学受験ブームと言われているそうですが、それは言葉のアヤでしょう。

リーマンショックの影響で敬遠された中学受験が、リーマンショック前の水準に戻っただけです。

コロナウィルスによる休校対応が私立のほうがよかったからというのも疑問です。

それより大学入試が変わったことで進学率の安定した私立に入れたい親心が実態に近いと思います。

そして学年の低いうちは目標を高く持ったほうがいいということはありますが、その高い目標を達成できる子は多くない。

中高一貫教育にメリットを感じて、難関校や上位校でもない中堅校を手堅く目指す層もおり、

そういう意味で過熱した受験戦争ではなく、公立進学をふくめた進路のいち選択肢となったということだと思います。

過熱するのはいつの時代も上位層です。

中学受験をする理由はなんだろう

地元の公立中学を避けたい理由がある

高校から入れる学校が少ないとか

高校受験を避けたいとか

内申点が取りにくいとか、推薦が通りにくいとか、

成績のつけ方がおかしいらしいとか

覇気がないとか

逆に競争が激しいとか

荒れてるとか

いじめがあるとか

学区の問題があるとか


ありますよねえ。噂のたぐいも多いけど。

どこの学校にもあるような問題で、知らないだけで私立はもっと悲惨ということも多いんです。

高校受験なしで公立高校に進学できるなら中学受験生は激減するだろうと思いますが、

だからこそ、高校受験はなくならないのですね。

高校まで義務教育化できたときにしておけばよかったのに。

中高一貫校に魅力を感じる

高校受験がないのでのびのび学校生活を送れるとか

大学が併設されている場合は大学受験もしなくていいとか

面倒見がいい(宿題が多い)ので予備校に通わなくても大学受験に対応できるとか

中高一貫だと大学受験に有利なカリキュラムが組めるとか

行きたい学校がある

偏差値が高いとか

東大進学率とか

医学部進学率とか

名門大学の付属であるとか

ご両親の出身校であるとか

部活が強いとか

なりたい職業に近いとか

家から近いとか

とにかく憧れるとか


行きたい理由があって、行きたい学校があって、どうやって合格するかを考える。

シンプルに(ある意味理想的に)考えたらこうなるはずなのですが、

なぜか中学受験に関しては、

受験をするかしないかを考えて、

しないとは言えないとなったらすることにしておいて、

とりあえずするとなればとりあえず有名な塾に入れればいいという思考停止な状態が標準化しています。

真っ暗な感じになっていた冒頭のママは、塾に行くと聞いた時から嫌な予感はしていたんです。

受験産業に翻弄されないように願っていたんですが、夏期講習ももれなく受講するとのことで、

ちゃんと話せればよかったんだけれども、こんな立ち入ったこといえません。。

人間は自分が選んだことが間違っていないと思いたい。だから正しさを裏付けるための情報を選んでその手の話ばかり取り入れる。自分で脱出しようとしないかぎりなかなか修正できるものではありません。

系列の個別指導塾をすすめられるパターンにならないといいのですが

こんなふうに真っ暗になってしまったらどうするか。

まず、志望校を決める。

過去問を分析する

学校が求めている生徒の姿を想像して、我が子に合うかどうかを考える。

受験する理由、行きたい学校、せめてどのあたりを狙うのか。

行きたい理由があって、行きたい学校があって、どうやって合格するかを考える。

原点に立ち返るとやるべきことが見えてきます。

受験産業に翻弄されてしまうと、そもそもそんなこと考えたことなかったのに気が付いたら塾に入っているなんていうことが起きてしまいます。

受験する必要がないならやめてもっと楽しい有意義な時間を過ごすべき。

受験するなら、今一度なぜ受験するのか、どの学校に行くつもりなのか、よく考えてみてください。

志望校によっては、その塾でなくても合格できます。

塾に行って集団授業で解説してもらわなければできないほどの勉強ってそんなにありません。

塾やら予備校やらに行かなければ合格できないなんて時代ではないです。

塾に行っただけでは成績は伸びません。

お子さんの勉強を見られないからと塾に預けっぱなしにしたら優良顧客としてカモられてほぼ合格はできません。

親のサポートなしで合格できる子なんていません。

なぜ受験するのか、どうしてその学校に行きたいのか。

目的がはっきりしていれば、どんな事態にもあわてず、流されず、最善の方法を選ぶことができます。


すっかり忘れていましたが、昔大手塾や家庭教師でしばらく受験指導をしていた時期がありました。

だからといって、元塾講師とか元家庭教師とかまったくかたりたくはないのですが、

自分が常識だと思っていたことを知らない人が意外にいることを知ったので、

ちょっとずつ書いてみようと思っています。  

少しでも受験で消耗するご家庭の助けになれればと思います。 (しゅう)

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