中学校の様子を知ろう

【中学受験】小学校3,4年生でやっておきたい志望校選び

志望校を見てこよう

こんなお悩みをいただきました。

お悩み

学校研究はしっかりしておいてくださいねって塾からいわれたけど、どうしていいかわからない!

今志望校を決定しなくて大丈夫です。

必要なのは、お子さんの進学先の候補を洗い出して、お子さんの性格や将来の希望、過去問との相性を判断すること。

目標校とその下に3ランクぐらいのバリエーションをつけて努力校、堅実校、おさえ校などと考えてみましょう

目標は高く持つのがいいですが、下位の学校もちゃんと見ておきましょう。

不合格だったら公立と今は思いますが、がんばったお子さんに下位でも私立に行かせてあげたくなるものです。

願書提出時まで悩むことになるこの志望校選び。
今の時点で広げて対策しておくことが最後によりよい選択につながります。
スランプになったときに
最悪、あの学校に行こうと思えると気が楽になるというメンタル面での意味も大きいです。

いいところをみつけて、志望校は全部行きたい学校だと思うことも後々のために非常に重要です。

その中から、お子さんの状況にあわせて6年生の11月ころまでに決めればOKです。

最終的に出願する際には切羽詰まった中で死ぬほど悩みますので、その時のために、いま、調べて見ておく。
これがこの時期の学校研究です。

志望校はまず、通える範囲で探そう

大学受験の準備が必要か、学校の授業の進度や宿題の量、部活との両立などを考えて通学時間を決めます。

上り電車よりは下り電車のほうがいいし、乗り換えも少ないほうがいい。

繁華街への寄り道のことも考えましょう。

難関校に合格したら引っ越すご家庭も意外とあります。

大学受験の必要がない付属校であれば多少遠くても勉強時間に与えるインパクトは少ないかもしれません。

いずれにしても近くて通いやすいに越したことはありません。

その次に、宗教とか教育方針、大学進学をどう考えているかなどで絞ります。

大学付属校といえど、学内での競争がありますし、
全員進学できるかどうかや推薦資格を持ったまま他大学を受験できるかどうかということもあります。
併設大学にはほとんど行かず、みんな他大学を受験する付属校の顔をした進学校もあります。

進学校は、大学が併設されていないだけで進学校と謳っていたり、
理想の姿を事実のように語っているだけの場合もあれば、
小学校からの教育熱心な家庭の子女が進学実績を作っており、中入生の実績ではない場合もあるし、
指定校推薦の扱いについて多くを語らない場合も。

ちなみに女子の進学では東大よりは医歯薬学系の進学が人気です。
じゃあ理系かと思うかもしれませんが、算数ができるから理系というものでもありません。
物理ができないから文系ということでもありません。
大体、できるできないの自己申告ほど当てにならないものはありません。

塾なしで大学受験できますといういわゆる面倒見のいい学校とは、
宿題の量や小テストの回数がすごいことが多いです。
もちろん、補習や講習も。
拘束されずに学習したい場合はよく考えたほうが良さそう。
追い詰められて不登校や自主退学、ならまだ良いほうで最悪の場合、ということもあります。
受かったらバラ色ということばかりでもありません。

宗教もキリスト教ならカトリックなのかプロテスタントなのかで校風が違います。
校風が違うということは、家庭の雰囲気も違うということです。
仏教系も多いです。

宗教系の学校は教育方針がはっきりしていますので、その考え方を問う問題が出題されることが多いです。

女子で面接がある場合は特に違和感なく対応できる程度にはなじんでおく必要があります。

教育方針などもHPで校長先生のお話などをご覧になるとわかります。

学校説明会などで直接伺うとイメージと違ったりしますのでそのあたりもチェックされると良いと思います。

ざっと絞れたら細かいところをチェック

小学校からの進学者がいる場合は人数の割合によっては進学後の環境について考えるべきところではあります。

インターネットでも情報は手に入りますが、真偽は定かではないことが多いです。

通っている方からお話がきければなおよいです。

私立の難関大人気校で、ネットにも書かれていないような惨事となっているところもあります。

そのほかにもご家庭の価値観やお子さんのタイプと照らして検討してみてください。

志望校と偏差値と過去問

お子さんの偏差値で行ける学校を探すと無駄が多いです。

行きたい学校の傾向をみて残り時間から逆算して対策しきれるかどうかを検討しましょう。

行きたい!と思ったら、HPなどで過去問をチェックします。

行けそう!と思ったら、現時点で入手できる一番古い過去問を購入します。

過去問は新年度版が発売される時期に一掃されバックナンバーが買えなくなります。

書店では旧版は買えなくなりますが、Amazonなどでは在庫がある場合があります。

ためしにリンクをのせておきますので見てみてくださいね(リンク先で他の学校のも見られますので)

入試問題は学校からのラブレターといわれています。

どんな子が欲しいか、どんな学習(暮らし方)をしたらいいか、どんな本を読んでほしいか、わかると思います。

余談ですが、入試問題は夏休みに作られていると言われています。

最近は上位校でその年に発売された新書の中から出題されることが多くなっており、

つまり読んだことのない文章を読み切る力を問われていると思われますが、

ということは夏休み前の時期に書店のちくまプリマ―新書や岩波ジュニア新書の新刊本を眺めてみると、

そういう傾向のある学校のその年の国語を的中させられる可能性があります。

有名なところで、雑草系植物学者の稲垣栄洋先生や国語の齋藤孝先生、
(旧)定番どころで、田辺聖子氏、重松清氏、五味太郎氏 などでしょうか。

的中とまで言わなくとも、過去問に出題された本は読んでおくと傾向がしっかりつかめます。

夏休みの宿題に読んだり、読書感想文にしてまとめると一石二鳥です。

また、政治的思想が合わない(解答を書かなければならない)ということもあります。

真実を見る目を持っていても愚かなふりをしなければならない場合もあります。

でも合格したい場合は歯を食いしばって鳥肌がたたなくなるまで趣旨にあった新聞雑誌を購読します。

それがわかるのも過去問です。

学校見学・説明会

コロナ禍で学校見学が難しくなっているので学校説明会に参加できないことも多いかもしれませんが、

その場合は平日の登下校の時間にあわせて想定通学路で現地に行ってみるだけでもわかることがあります。

たとえば。

長い坂道が続いてしんどいとか、意外に通いにくいとか

乗り換えが面倒だとか

ホームが狭くて危なそうとか

生徒さんたちの印象がイメージと違うとか。

お子さんにぴったりだと感じたり、運命を感じることもあるかもしれません。

受験生永遠のテーマ、志望校選び。

相談にのってよといわれても個別にじっくり考えなければ簡単におすすめできません。

夢を見たり、現実を見たり、保険をかけたり。

なぜ受験するのか、どうしてその学校なのかをはっきりさせて

極力メンタルが崩壊しないように保ちながら乗り切りましょう。

数年後、みなさまが良い受験だったと笑顔で終えられますように!    (しゅう)

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